売上高1000万円を超えると、消費税の課税事業者になります。それゆえ、1000万円を超えないように調整しているという方もいらっしゃいますが、絶対に事業規模を大きくすることは望まないということでない限り、調整なんかするべきではないと考えます。
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税理士さんと話をして理解できたこと
税理士さんと話をして分かったことですが、節税の考え方は様々あるようですが、一方で、売上を伸ばして、利益を稼いでいくことは簡単ではない。こちらの方がよっぽど難しく、これができなければ、意味がない。
それ故、折角稼ぐチャンスがあるのであれば、しっかりと腰を据えて取り組むべきということです。そもそも、事業を始めた方の多くが、課税事業者にならないように事業をしようと心に決めて事業を始めたわけでは無いと思います。むしろ、がっつり稼いでやろうという想いだったと思われます。課税義務者になるからとブレーキをかけてしまうような話でしたっけ?なんとなく、うまくやろうとしてしまいますが、本末転倒にならないよう、気を付けなければなりませんね。
ただ、安心してください。少なくとも2年間は課税が免除されているのです。では詳細を見ていきましょう。
なお、相談する税理士さんがいないという方は、こちらから探してみて下さい。
そもそも消費税の課税事業者とは?
個人事業主における消費税の課税の考え方は以下の通りであり、売上高が1000万円を超えなければ、納税の義務は発生しません。さらに、売上高が1000万円を超えたとしても、超えた年の翌々年から課税事業者となるため、1000万円を超えたその年から納税義務が発生するわけではありません。すなわち事業を始めた最初の年から1000万円を超えたとしても、課税事業者となるのは、3年目からということになります。
〇課税売上高が1,000万円以下の事業者は、納税の義務が免除されます
〇課税売上高とは、個人事業者の場合は原則として前々年の課税売上高
参考:国税庁ホームページ(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6501.htm)
法人化するとさらに2年消費税の納税が免除
法人の場合にも、基本的な仕組みは個人事業主と同じです。すなわち、2事業年度前の売上高が1,000万円を超えない限り、原則として当事業年度においては消費税の納税義務はありません。一定の要件はありますが、法人化するとさらに2年間消費税の納税が免除されるわけです。
消費税の納税義務が免除されることでどれだけお得か?
消費税の納税方法には原則課税と簡易課税の2つがあります。
原則課税
消費税は預かった消費税と支払った消費税の差額を支払うという考え方が原則です。この考え方が分かりやすく説明するため、まずは、原則課税を説明します。
消費税を10%として考えます。税込売上高1100万円、税込仕入高550万円の場合、預かった消費税は100万円、支払った消費税は50万円ということになります。その差額である50万円を納税する必要があります。
簡易納税
簡易課税は、業種ごとにみなし仕入れ率が定められており、せどりは小売業ですので、第二種事業(小売業)となり、みなし仕入れ率は80%となります。
税込売上高1100万円-税込売上高1100万円×80%=220万円
整理すると
どちらも粗利益は550万円になりますが、原則課税を選択した場合と簡易課税を選択した場合とでは納税額は大きく異なります。
この差はせどりだから発生する大きな差であると言えます。一般的な卸値は6掛け、7掛け、と言われているので、みなし仕入れ率が80%なのは妥当な数字です。しかし、せどりの原価はかなり低いですよね?540円で仕入れたセット本を2000円とかで平気で販売していますよね?一般的な卸値と大きくかけ離れているため原則課税と簡易課税で大きな差が出るものと推測します。
消費税の納税義務から考える法人化するベストなタイミング
上記のようなケースで原則課税を選択したとしても、それなりの額を納税する必要があります。納税義務が免除されていれば、その分も利益とすることができますので、できる限り納税義務の期間は免除されておきたいものです。
個人事業主と法人は全くの別人格ですので切り離して考えることができます。つまり、個人事業2年目の終わりに法人化することによって、最大4年間、消費税の納税義務が免除されるわけです。
消費税の納税義務の観点で考えるとこの方法がベストであると考えられます。私が事業を始めたのは、今年からですので、個人事業主1期目です。1期目で1000万円を超える見込みですので、2年間は個人事業主とし、2年目の終わりに法人化したいと思います。