私は本せどりをしていますが、結構大変ですよね。店舗回りも疲れますし、暑いですし、納品も腰が痛くなりますし、割と重労働です。アフィリエイトで稼いでいる方々も記事の執筆や取材など、かなり苦労されているものと推察いたします。
さて、Twitterを始めて、13日が経過しました。その間、10数名の方からダイレクトメッセージをいただきました。3名は「楽天ポイント3万円」、10名が「権利収入」、そして、その他というイメージです。「権利収入」のダイレクトメッセージが最も多いわけですが、みなさんも同じような状況ではないでしょうか?気になりますよね?私は気になり出すと止まらなくなってきます。真実が知りたくなってしまう性癖です。
本せどりに限らず、副業をされている方なら、副業をされていない方でも、不労所得にはあこがれるものです。何もしないで、または限りなく少ない労力で収入を稼げるスキームを構築できたらなんて素晴らしいだろう。と。「権利収入」とは何て素晴らしい響きなのだろうと。
さて、今回の記事は、Twitterで勧誘が行われている「権利収入」ビジネスについて整理してみました。専門家ではないので、誤った理解をしている部分もあろうかと思いますので、その時はご指摘いただければ幸甚です。
目次
ダイレクトメッセージ
以下のようなダイレクトメッセージが送られてきます。さらに、こちらの活動を巧みに持ち上げて気持ち良くしてくれる方もいらっしゃいます。みなさんかなりのやり手です。
例①
私はネットビジネスで生計を立てています。 ビジネス拡大に伴い、一緒に夢を見れるパートナーを募集しています。お互いのビジネスの情報交換をしたいので、よろしければ、ご連絡ください。
例②
権利収入のビジネスをしながら、自由に旅をして生活しています。権利収入で収入のベースを確保し、ご自身の事業資金とすることもできますよ。あなたに連絡をしたのは、ブログなどを見て、とても活動的でビジネスに対して前向きな方だとわかり、このビジネスに向いていると判断したからです。
ダイレクトメッセージに事業の詳細説明を求めると
詳細の説明を求めると、「電話で直接」や「動画を見てほしい」等、基本的には詳細の説明はしれくれません。音信不通になってしまうことも少なくありません。さっきまであんなに私のビジネスに対する姿勢などを褒めて下さっていたのに急に冷たくなります。さっき褒めてくれていたのは嘘だったの??と思ってしまいます。笑
フォロワーが多い
この手のビジネスをしているのにフォロワーが少なかったら雑魚です。だってネットワークビジネス。つまりマルチ商法なんですもん。ネットワーク=フォロワーの多さこそ彼らのプライドであり、稼げることをアピールする証なのです。しかし、アピールするための材料ですので、仲間内でフォローしあっているだけなので、「この人すごい人なんだ」とか思う必要はありませんよ。ビジネス相互フォローです。異常にフォロワーが多くて、「旅」「お金」「幸せ」「不労所得」「ビジネス」などのキーワードがあったら確定です。
あなたのように魅力的なブログを書いていたり、魅力的なツイートをしているからフォロワーが増えたわけではありません。
Twitterのタイムライン
Twitterのタイムラインでかなりの頻度で見かけるキラキラした海外旅行の写真や、豪華な生活などは基本的にこの手の権利収入ビジネスで成功してますよということのアピールであり、ある意味広告です。そして、タイムラインに情報を流し続けることで皆さんを釣ろうとしているのです。待っていてもなかなか釣れないので、暇な時間を使って、私や皆さんにダイレクトメッセージを使ってアプローチをしてくるわけです。
少しずつ話を聞きだしていくと
ここからは具体的に聴取した情報を記載していきます。「権利収入」と言っているのは、いわゆるマルチ商法です。上記の通り、キラキラした旅行の画像を使っているのは商材が「旅行」だからです。旅行を販売するには旅行業の登録が必要ですので、旅行を売ることはできません。
会員権を商材としたマルチ商法
商材は旅行と言いつつ、実際に販売するのは旅行に関する「会員権」ということになります。この会員権を商材としてマルチ商法を行っているわけです。会員権は大体10万円弱というイメージのようです。会員権じゃないかたも当然いらっしゃいますが、どれも似たり寄ったりです。ある会員権の内容は、「最安値保証の予約サイトの利用、格安でVIPツアーの予約等ができる」というものです。
マルチ商法とは?
長野県のホームページによると以下の通りです。
マルチ商法は、ある販売組織の加入者が別の消費者に商品を売って組織に加入させてマージンを受け取り、さらにその消費者が別の消費者に商品を売って組織に加入させてマージンを受け取り、さらにその消費者が・・・というようなことを次々に行って組織をピラミッド式に拡大していく商法です。
法律で禁止されているねずみ講と違い、商品を媒介させており、適切な組織運営を行えば事業を維持することが可能ですが、勧誘の時に紹介される一部の成功話のように誰でも簡単に利益を得られるわけではなく、本当に儲かるのは組織の上部にいる一部の人間だけです。商売経験の乏しい主婦や青少年が販売員となり、売れない商品の在庫を大量に抱えることになったり、友人や知人を無理やり勧誘したために人間関係が悪化するなど問題も起こりやすいようです。
最近は、ネットワークビジネスやコミュニケーションビジネスと呼ばれて勧誘される場合もあります。
マルチ商法は、特定商取引法において、連鎖販売取引として
1:書面の交付義務
2:不当な勧誘行為の禁止
3:クーリング・オフの適用
などの規制がされています。
出典:https://www.nagano-shohi.net/akushitsu/multi.html
マルチ商法とねずみ講のちがい
マルチ商法とねずみ講の大きな違いはご存じですか?それは商材があるか無いかです。ねずみ講はお金のつながりのみで、成立しているピラミッド構造です。一方でマルチ商法はモノを売っていくため、モノを売買するというつながりがありますが、構造としては、ねずみ講もマルチ商法も基本的には同じです。
マルチ商法は違法か?
違法ではありません。違法ではありませんが、正しく行われているマルチ商法であれば違法ではないという意味です。多くのマルチ商法が法律的な問題を抱えています。ある専門家は「マルチ商法は基本的にはねずみ講です。ねずみ講に様々な制限を加え、ある限られた方法を取るねずみ講のみが合法的なマルチ商法として認められる」としています。SNSで見ず知らずの不特定多数に営業をかけるような組織が合法な組織なのかは、少し疑ってしまします。
特に勧誘の際に強引な勧誘をしたり、適切な説明がなされなかったりすることでトラブルになることが多いようです。
マルチ商法は成立するのか?
長野県のホームページからの情報にもある通り、「加入者が別の消費者に商品を売って組織に加入させてマージンを受け取り、さらにその消費者が別の消費者に商品を売って組織に加入させてマージンを受け取り、さらにその消費者が」というような商売の仕方をします。そのため、ねずみの子供を増やしてその子供がさらに子供を増やしていくことによって儲かるシステムということが言えます。
堺市のホームページによると、「一人が二人勧誘すると、27代目で日本の人口を上回ります」とのことです。多くの人が勧誘を受けても勧誘には乗らないでしょうから、もっと早く破綻するわけです。
出典:https://www.city.sakai.lg.jp/smph/kurashi/shohi/shiryo/kurashi/mokarimasuka.html
アムウェイを擁護するわけでは無いですし、私はアムウェイとは一切関係がないですが、アムウェイのように食品、鍋、ドリンク、浄水器など様々な商材があれば、同じねずみに様々な商材を売ったり、定期的に同じ商材を買ってもらうこともできるでしょう。しかし、会員権やその類のものは、一人に一つしか売れません。そのため、限りなく堺市のホームページに記載のねずみ講の構造に近く、破綻も速いと言えます。
破綻が速い理由としては、日本の人口は限られており、旅行に興味を持つ方も限られています。さらに、この手の勧誘に乗ってくる方はかなり限られる。商売の相手は限りなく少ないのです。下手すると子供の会員を作れることができず、会費だけを支払う会費払いマシーンになってしまう可能性もあります。
会費払いマシーンになってしまっても、簡単にはやめられないようです。怖いですね。10万弱の会費を払い続ける状のマシーンです。過激なことを言えば、組の看板で商売ができるヤクザの方がまだましです。
マルチ商法はもうかるか?
儲かります。それは、あなたが、そのマルチ商法を始めた方かその近くにいる方である場合、かつ合法的にマルチ商法を行った場合に限ります。
その他の場合は基本的にはもうかりません。瞬間風速的に儲かったとしても、いずれは破綻します。自分も会員権の会費を払い続ける必要があるので、こどもを勧誘し続けなければなりません。「金持ち父さん貧乏父さん」では「労働者は一生ラットレースをし続ける」と示していますが、ラットレースに巻き込まれたくないからこの手の商売にひっかかってしまった方は、ラットレースどころか、ラットになってしまうわけです。
あなたに話が来る頃にはすでに破綻している可能性が高いです
しかも、SNSで勧誘をしているような方々はどう考えても、マルチ商法のトップにいる方であるとは思えません。幹部ではなく、チンピラです。名称的には幹部という肩書はもらっているかもしれませんが、結局はチンピラです。「下っ端の中の下っ端」なわけです。仮に、「下っ端の中の下っ端」から勧誘を受け、あなたがその組織に加入してしまった場合には、「下っ端の中の下っ端の中の下っ端」になるわけです。
あなたが勧誘をされるときには、「SNSで勧誘するだけ。」「家族や友人知人に勧誘する必要がない」と言われるはずです。しかし、結局は友人知人、親戚にも勧誘をせざるを得なくなる可能性があります。なぜなら、あなたは、「下っ端の中の下っ端の中の下っ端」なのですから。ラットですから。もし、あなたのことを気遣って、友人が加入してくれたとたら、あなたは大切な友人を「下っ端の中の下っ端の中の下っ端の中の下っ端」に陥れることになります。
あなたがしたいのはそんなことですか?最低です。
マルチ商法ではない完全なねずみ講の方もいらっしゃいます
商材は無いという説明をしてくる方もいらっしゃいました。これは最悪です。商材がないなら、ねずみ講確定です。即アウトです。さようならです。具体的には、会員になるときに本部にいくらかを支払い、あとは会員を増やせば増やすほど収入が増えていく構造と教えてくれました。具体的には、登録費用と月会費が必要なようです。
ちなみに、マルチ商法は合法の可能性もありますが、ねずみ講は問答無用で完全に違法です。
私がダイレクトメッセージで聴取した内容ではないですが
下記のホームページも非常に参考になります。是非ご覧ください。会員権の話についても、説明してもらっていたものをほとんど利用できなかったり、解約を簡単にさせてもらえないだとか、極めて怖い実情が記載されています。
https://chicken-journey.com/travel-mlm-fraud-scam/#3-3
勧誘を受けたらどうすればいい?
堺市のホームページには以下のように記載があります。おかしいと思ったらすぐに相談しましょう。
いい話がある、と言われても契約は急がず慎重に検討しましょう。契約をしても、法律で定められた書面を受け取ってから20日間であればクーリング・オフ(無条件解約)が可能です。また、契約後一年以内に解約した場合、解約から90日前までに引き渡された未使用商品を返品できる場合があります。おかしいと思ったらなるべく早く、消費生活センターにご相談ください。
出典:https://www.city.sakai.lg.jp/smph/kurashi/shohi/shiryo/kurashi/mokarimasuka.html
結論
人生の大切な時間をこんなことに使うのは極めてもったいない。友人知人のことも自分のことも大切にしましょう。