ブックオフのセット本には、10%、20%、30%、50%の割引シールが貼付されていることがありますが、ウルトラセールなどのセールが開催される日の割引の考え方は正しく理解されていないことがあります。いまいち理解をしていないという方にご説明いたします。なお、ブックオフの公式見解ではなく、あくまでも私の理解による整理ですので、この点はご理解くだいさいますようお願いいたします。
目次
割引率の適用方法
ウルトラセールの割引率20%の場合、セット本の割引シール30%、下記の通りになります。20%+30%で50%の割引にはなりませんので注意が必要です。なお、割引率の話になったとき、ブックオフの定員さんは必ず、ウルトラセールの割引率を適用して、そのあと、セット本の割引率を適用しますと説明してきます。掛け算なので、どちらからでも同じだと思うのですが、もしかしたら、それぞれの割引を適用する際に数字を丸めているのかもしれませんが、そこはよくわかりません。
商品価格×0.8×0.7=割引適用価格
セット本の割引
基本的には、上記の通りの計算式によって計算されているものと思います。ただし、一部の店舗では併用不可としていることがあるため、注意が必要です。私の感覚では、95%の店舗が併用可能なので、あまり気にしなくてもいいのかもしれませんが、チェックをしておかないと仕入れ価格が想定から大きくズレてしまっているというようなことも発生してしいます。
特段掲示をしていないのにレジの設定にのみ併用不可のロジックを組んでいる店舗もありますので、注意が必要です。必ず、会計中に確認するようにしましょう。理解不足で不誠実な定員さんの場合、実際は併用されていないのに、「併用されている」と適当に答えられる場合もありますので、注意が必要です。
併用不可について
併用不可としている店舗は、割引率の高い方を適用するとしているケースが多いかと思います。ウルトラセールの割引率は20%である前提とします。以下の通りであり、なんとなく、問題は無いように感じます。しかし、次項で説明する内容をご理解いただければ、問題なさそうなこの考え方も不合理な点があることにお気づきいただけるものと思います。
・セット本の割引率が10%の場合、20%の割引率が適用
・セット本の割引率が20%の場合、20%の割引率が適用
・セット本の割引率が30%の場合、30%の割引率が適用
・セット本の割引率が50%の場合、50%の割引率が適用
割引シールが貼られる理由
そもそもこの割引シールが貼られる理由を考えてみましょう。セット本にしてから滞留して古くなったため、割引シールを貼るケースと状態が悪いから割引シールを貼るケースがあろうと思います。いずれにしても値段を下げないと売れない本だから割引シールが貼られたものと考えられます。売れない在庫だから、状態が悪い本だから、値引きをしてでも売りたいわけです。
セールを行う理由
次にセールを行う意味を考えてみましょう。ウルトラセールを毎年正月とGWに行っていることからわかるように、年末、年度末に大量に仕入れた在庫を一気に回転させるために行っていることがわかります。とにかく値引きしてでも、在庫を回したいのです。
併用不可がおかしいと考える理由
簡単に理解いただくために、下記のようなケースで考えてみます。併用しないことが不合理であることがわかります。
ケース①
割引を併用しない場合、状態が悪いドラゴンボールと状態が良いドラゴンボールのウルトラセール時の割引率が同じになるのです。意味不明ですよね?セールになったとたん、売りたいはずの状態が悪い商品は割高感が発生し、割引しなくても売れると考えている商品に割安感が出てしまいます。当然、状態が良いドラゴンボールのみ売れる格好になり、状態が悪いため、20%のシールが貼られた商品は割高感がでてしまい、売れなくなります。
ドラゴンボール42巻セット5000円で割引率20%シール(状態が悪いため)
ドラゴンボール42巻セット5000円で割引シールなし
ケース②
滞留在庫としてとにかく売りたいと考えていた通常営業では滞留在庫商品と滞留していない商品では、30%の割引率の差があったのに、セール時には10%の差になってしまいます。セールになったとたん滞留在庫を売りたくなくなったのでしょうか?これも意味不明です。売りたい在庫はセール時にも売りたい在庫であることには変わりないですよね?
ドラゴンボール42巻セット5000円で割引率30%シール(在庫滞留のため)
ドラゴンボール42巻セット5000円で割引シールなし
通常営業で割引シールを貼っているということは、その値段でも売りたいということですよね?さらにセールの意義を踏まえると、在庫を回転させたいわけです。通常営業で安い値段で在庫を回転させたいと考えている商品はセール時も同様に売りたいはずです。本来安くしてでも売りたい在庫や状態が悪い在庫なのに、割引が併用されないことにより、セール時は、あんまり売りたくないかのような値段設定になり、状態が悪いのに、状態が良い商品と同じ値段になってしまいます。
併用可しているほとんどの店舗はこの考え方を理解しており、併用不可としている店舗は考え方を理解できていないのではないかと推測されます。
併用不可と言われたら
他の店舗では併用可能が普通であることを伝えましょう。そうすると、「そうですか。確認します。」となります。「店舗ごとに判断していますので、当店では併用不可です」という回答があった場合には、上記「併用不可がおかしいと考える理由」に沿って併用不可がおかしいことについて説明しましょう。理解力のある店長さんなら必ず理解をしてくれます。
その他の悪質なパターン
「日本の歴史」「世界の歴史」の漫画の文庫版です。1冊ごとの場合は、コミックで、箱に入りの場合は児童書だというのです。意味不明です。しかも、コミックと同じ棚に陳列し、コミック20%割引セット本にも適用されてますとのポップの真下に陳列されていました。ちなみに他の店舗では、箱入りの「日本の歴史」「世界の歴史」もコミックとして取り扱っていました。箱に入れると児童書で、バラだとコミックになるという理屈は理解できません。何度もおかしい旨、多店舗ではコミックとして扱っている旨説明いたしましたが、理解をしてもらえませんでした。正直、意地になっているような雰囲気でしたので、こちらが折れた価値で買いませんでしたが、どういう理屈なのか、理解できるまで説明いただきたいです。
クレームではありません。正しいことを伝える技術の練習と考えるべき
本当にクレームではありません。不合理なものを指摘しているだけです。
今後商売をしていくうえで、合理的、ロジックの通った考え方をすることは必須の力であると考えます。そして、それを相手に理解させるまで説明することも重要な能力です。従業員に指示をするときも、会社内で問題が起こったときも、社長であれば、公平で公正な判断をすることが求められます。正しい理屈をしっかりと考えて理解できる力、そしてその正しい理屈で公平なジャッジができないと、従業員はついてこない。
私は不合理なことがあれば、納得がいくまで説明を求めます。また、相手の考え方が合理的でないと思えば理解してもらえるまで話をします。