せどりを副業であるとするのであれば、せどりは副業務であり、副仕事です。メインの仕事もしているが、せどりを副業として行っているわけです。この記事では、本業で行っている方も、副業で行っている方も、業務としてせどりを行う中で考えておくべきリスクと損害保険についてご説明します。
賠償責任保険とは?
第三者に個人の日常生活、あるいは業務遂行や被保険者が所有・管理する施設が原因となる偶然な事故により、第三者に対する法律上の賠償責任を負担した場合に、被保険者が被る損害(つまり賠償金の支払や負担する費用)を補償する保険のことです。被保険者とは賠償金を払う方であり、保険契約をするあなたということになります。この賠償責任保険は大きく二つに分けることができます。個人の日常生活に起因するものを補償するものと業務遂行や被保険者が所有・管理する施設が原因となる偶然な事故を補償するものです。
個人賠償責任保険
最近では、自転車保険などと呼ばれることもありますが、正確には自転車保険ではありません。自転車での事故を含む、個人の日常生活に起因する事故を補償する保険です。たとえば、以下のような例が考えられます。いずれの場合も、相手に対して、法律上の賠償責任が生じ、賠償金を支払う場合に保険金が支払われます。
・自転車で会社に行く途中、通行人にぶつかってけがをさせてしまった。
・買い物中、誤って、お店の商品を壊してしまった。
・本屋で買い物中、上段の商品を取ろうとしたら、手を滑らせてしまい、近くのお客様にけがをさせてしまった。
せどり中に事故を起こしてしまったら
上記の個人賠償責任保険では、支払われない可能性が高いです。個人賠償責任保険は個人の日常生活に起因する事故を補償です。そのため、免責事由(保険を支払えない場合)に、業務遂行中の事故と記載されています。せどりが業務として認定されるか否かにかかわりますが、業務遂行中として認定された場合、記載の通り、個人賠償責任保険では保険金は支払われないことになります。
下記のような例では、特に自転車事故で万が一被害者がなくなってしまったような場合には、人生が破綻しかねない額を賠償しなければならなくなります。商品を落としてけがをさせてしまったような場合でも、当たり所が悪ければ、かなりの治療費を負担する必要が発生します。そのため、しっかりとしたリスクヘッジをすることが、求められます。
・自転車で仕入れに行く途中、通行人にぶつかってけがをさせてしまった。
・仕入れ中、誤って、お店の商品を壊してしまった。
・ブックオフで仕入れ中、上段の商品を取ろうとしたら、手を滑らせてしまい、近くのお客様にけがをさせてしまった。
施設賠償責任保険
施設賠償責任保険は、業務中のリスクと施設に関するリスクを補償する保険です。個人賠償責任保険では、免責事由(保険を支払えない場合)となっている業務遂行中の事故を補償することができる保険です。すなわち、せどりが業務として認定された下記のような場合でも、補償を受けることができる保険となります。
ただし、これは個人賠償責任保険でも同様ですが、自動車での事故は免責となっています。仕入れに行く途中、自動車で通行人を引いてしまった場合は、業務中であっても、この保険では補償できません。自動車に起因する事故はあくまでも、自動車保険で補償するものになるので、当然ながら、自動車保険にも合わせて加入する必要があります。下記の記事ではせどりに必要な損害保険の基本的な考え方や、せどりに必要な自動車保険の考え方も記載していますので、ご興味のある方はご覧ください。
・自転車で仕入れに行く途中、通行人にぶつかってけがをさせてしまった。
・仕入れ中、誤って、お店の商品を壊してしまった。
・ブックオフで仕入れ中、上段の商品を取ろうとしたら、手を滑らせてしまい、近くのお客様にけがをさせてしまった。
買取のための店舗を設けたら
買取専用の店舗を構えるまでに事業が発展したとします。すると、店舗に来店してくださる方への補償も考えなければなりません。この場合、施設に起因するリスクとして、施設賠償責任保険で補償することができます。補償できる例は以下の通りです。店舗の管理は事業者の責任です。お客さまがけがをしないよう、メンテナンスを行うことが求められます。そのメンテナンスを怠り、お客さまにけがをさせてしまった場合には、店舗の管理者に責任が発生します。
・店舗のモップ掛けをしたが、乾拭きによる拭き上げを怠り、お客さまが転倒してケガをしてしまった。
・店舗に設置している看板が強風により、吹き飛び、近くに止めてあった第三者の車に傷をつけてしまった。
もし従業員が業務中に賠償責任を負ってしまったら
上記のようなけがをお客様などにさせてしまった場合、経営者だけでなく、従業員がけがをさせてしまった場合も補償の対象となります。なお、従業員自身がけがをしてしまった場合も補償の対象外です。